「周知」という言葉の意味、みなさんは知っていますか?漢字が表している通り、周りに知らせること、じゃないの?って思った人、多いはず。
私もその一人、「周知」っていう熟語はビジネスシーンでもよく使われるから何度も聞いたことがあるし、意味も分かる、と思っていました。それに私には大学で4年間言語学を学んできた自負があるんです!!
でもいざメールを書こうとしたとき、「あれ?ご周知願いますっていう言い方であってるのかな?」と不安に。メールを送ってもし使い方を間違っていたら恥ずかしい、、!意外と知っていると思い込んでいる言葉、間違えてることも多いんですよね。
そこで「周知」という熟語について、意味・例文・使い分けを徹底的に調べてみました!
この記事を読めば、これからは自信を持ってこの熟語が使えちゃいます。
[ad#co-1]
間違ってない?周知の意味・使い方・例文!案内・伝達との違いって?
まず初めに、面白い語釈で有名な新明解国語辞典で意味を調べてみると、周知とは
「一部の人だけではなく、多くの人が知っていること(に広く知れわたること)。」
出典:新明解国語辞典 第7版(発行所 株式会社三省堂)「周知」
つまり、「多くの人が知っているという状態」と「その知れわたるという動き」の両方を表す熟語なんですね、ふむふむ。他にもいくつかの国語辞典で調べましたが、一番分かりやすい、さすが新明解。
使い方・例文
はい、新明解への称賛はさておき、肝心の使い方を見ていきましょう。
「対応を担当者に周知する。」
「冬山登山の危険性を周知する必要がある。」
「校則の大切さを生徒に周知させる。」
例文の「周知」の部分を「多くの人が知っている状態に」と置き換えて考えてみると、文の意味が分かりやすいですね。
と、ここで、気になることが一つ。「周知する」と「周知させる」の違いって一体何!?例文を見てみるとその両方が使われています。どっちでもいいってことなんでしょうか?
ネットで調べてみると、「周知する」は誤用とする意見があったり、反対に「周知させる」だと意味が二重になるから間違いとする意見があったり、と賛否両論のようです。 ということ最後の頼み、明鏡国語辞典によると、「『~を周知する/周知させる』はともによく使われる。」ということだそうです。なんだ、どっちでもいいんですね。もしメールに書いてから、それ間違ってない?と言われたら、「国語辞典にどっちでもいいと書いてある!」と主張しましょう。
[ad#co-1]
「案内」「伝達」との違い
(内容・事情などを)知らせること(文章)。
出典:新明解国語辞典 第7版(発行所 株式会社三省堂)「案内」①
命令・指示・連絡事項などを他に伝えること。
出典:新明解国語辞典 第7版(発行所 株式会社三省堂)「伝達」
意味は似てるけど、伝える内容が違うんですね。次に、これらの例文を見てみましょう。
「案内」:「先にご案内いたしました通り、本日の試合は10時から開催いたします」
「伝達」:「災害時に必要な連絡事項を伝達するための連絡網を整備する」
つまり、「案内」は「内容や事情を説明すること」、「伝達」は「連絡事項を伝えること」、を意味するんですね!微妙なニュアンスの違い、、、自分でも例文を思い浮かべてみると、この説明にもなるほど!ってなるかもしれませんね。
またこれらの言葉と違って、周知には「広く知らせる」というニュアンスが含まれるので、例えばメールで「ご周知願います」と書くと、メールを受け取った人がその周りの人にさらに情報を伝える、という意味が加わります。
だからメールを受け取る人に「知っておいてください」と言いたいとき、「ご周知願います」と使ってしまうと意味が変わっちゃうんですね。ビジネスシーンでのメールみたいに、丁寧な文章を書こうとすると、普段使わない言葉を間違って使ってしまうのってあるあるじゃないですか?私も気をつけないと(笑)
まとめ
ここまでで、「周知」の意味・使い方・例文、そして「案内」や「伝達」との違いについてまとめました。
「周知」は「一部の人だけではなく、多くの人が知っていること(に広く知れわたること)」という意味を持ち、特にビジネスの場面でよく使われます。「周知する/させる」はどちらもよく見かける表現ですが、ともによく使われる表現で、どちらが誤用ということはありません。
「知らせる」という点で近い意味を持つ熟語には、「案内」や「伝達」がありますが、それぞれ「(内容・事情などを)知らせること」、「命令・指示・連絡事項などを他に伝えること」という意味を持ち、伝える内容や範囲にそれぞれ異なった特徴がみられます。
「周知」という言葉は「多くの人が知っていること」という意味を持つので、例えばメールで「周知願います」と書いてしまうと、メールを受け取った相手は、誰かにその内容を伝えようとしてしまうかもしれません。「案内」や「伝達」との違い、使い方に気をつけてそれぞれ使い分けましょう。
[ad#co-1]