「切磋琢磨(せっさたくま)」という文字を見て、ぱっと意味を思い浮かべることができますか?何かを磨いているというイメージは持てても、意味を具体的に説明するとなると難しいですよね。中学生で漢字にはまった私は四字熟語を調べまくった時期があるのですが、今それぞれの意味を正しく説明しようとしても、残念なことに案外できません。
この「切磋琢磨」は、実は漢字検定の1級。でも、意味や使い方を知ると、意外にも簡単に使えちゃうんです!
そこで今回は「切磋琢磨」の意味や語源、使い方と、類語や言い換えまでを解説していきます!
切磋琢磨の意味や語源はこれ!!類語と言い換えも解説!
切磋琢磨の意味は、学問や能力・技術を練り磨くこと。また、志の同じ仲間どうしが互いに励まし合って、学問や仕事に励むこと。
何やら難しそうに書いてありますが、ざっくりと、仲間と励むんだな力を磨くんだな、ということです。
さらに少し分解してみてみましょう。
「切磋」・・・学問や伎芸などに励むこと。また、それによって人格をみがくこと。
(もともとは、玉や石、骨や象牙などを切ってみがく意。)
「琢磨」・・・修行して学問・技芸・精神などを向上させること。
(もともとは、玉や石を細工してみがく意。)
ここで補足。お気づきですか?切磋と琢磨の意味それぞれに含まれている「ぎげい」の漢字が違いますよね。切磋のほうの「伎芸」は、歌舞や音曲などの芸能やそれに関するわざを指します。琢磨のほうの「技芸」は、美術や工芸などの芸術に関する技術を指しています。
知って面白い語源
それは、中国最古の詩集「詩経」に書かれていました。「如切如磋、如琢如磨」=切(セ)っするがごとく磋(サ)するがごとく、琢(タク)するがごとく磨(マ)するがごとし。
さらにみてみましょう。
「切」・・・骨や象牙を切ったりこすったりして細工すること。
「磋」・・・みがくこと。象牙や玉をみがくこと。学問や道徳に励んで極めること。
「琢」・・・みがくこと。玉を美しくみがくこと。努力して、学徳や技をみがきあげること。
「磨」・・・みがくこと。玉や石をこすってみがくこと。技術や学問をみがいて上達すること。
めっちゃみがくやん!とつっこみたくなりますね。
かっこよく使える
ここまでのところで意味や語源をたくさん書きましたが、がんばって簡単な一言にまとめると「学問や腕をみがきあうこと」となります。そう考えると使いやすくなりますよね。
例えば、大学に入学したときの意気込みで「互いに切磋琢磨して学問に励みます!」とか。
さらに、とくに男性の方におすすめ!「仕事は大変だけど、お互い切磋琢磨しようぜ」なんて言うとかっこいいと思いませんか!?仕事の部分を、新生活や学校生活に変えても使えますね。でも、切磋琢磨という言葉を知らない相手が「ん?」となった時のために、意味をしっかり説明できるようにしておきましょう。
同じ四字熟語で類語はある?
「砥礪切磋」という言葉があります。こちらも漢検1級のものです。読み方は「しれいせっさ」。学問や人格を高めるために努力することをいいます。「砥」は刃物をといだりみがいたりする“こと”。「礪」は刃物をといだりみがいたりする“もの”。みがくこと。「切磋」は先に書いた意味と同じです。
切磋琢磨よりこちらのほうが鋭いイメージを持ちますね。
言い換えも知っておこう
修練や鍛練、練磨などと言い換えることができます。どれも、切磋琢磨の意味である「練り磨く」の「練」がはいっていますね。簡単に覚えられそう。ちなみに「錬」と書くこともあります。
切磋琢磨のまとめ
- 意味は、学問や腕を練り磨くこと。仲間と互いに励まし合ってはげむこと。
- 漢字の語源は「みがく」だらけだった。
- 切磋琢磨の一言で、意気込みやモットーを表せる。
- おなじ四字熟語の類語は、やっぱり漢字が難しかった。
- 言い換えは意外と身近な言葉だった。
頑張りたいときや仲間と共に励みたいとき、「切磋琢磨」という言葉を思い出して、使ってみてくださいね。